大谷翔平への極端な「年俸後払い」が波紋…カリフォルニア州を巻き込み「規制」へ一直線
大型補強を繰り返すドジャースに横やりである。ド軍の本拠地であるカリフォルニア州財務監督局の会計監査官マリア・コーエン氏は日本時間9日、大谷翔平(29)が結んだ10年総額7億ドル(約1015億円)の契約で、約97%を期間満了後に受け取ることに関して「無期限の後払いは税の公平な分配を妨げている。税制の不均衡を是正するため、議会に早急な行動を求める」との声明を発表。大谷のような高額所得者に控除や減免措置を廃止して税収増につなげるべきと訴えたのだ。
大谷は契約が満了する2033年まで年200万ドル(約2.9億円)のみを受け取り、残りの6億8000万ドル(約980億円)は34~43年に後払いとなる。地元紙ロサンゼルス・タイムズの試算によれば、大谷が残りの金額を受け取る期間にカリフォルニア州外に転居すると、同州の税収は約9800万ドル(約141億円)減る可能性があるという。
ド軍は大谷が年俸を後払いにしたことで、補強資金に余裕ができ、今オフはすでにFA選手の獲得に総額10億6700万ドル(約1547億円)を投入。今後もクローザーの獲得を予定しているだけに、補強費用はさらに膨らむのは必至だ。メジャーのぜいたく税は、球団間の戦力均衡を目的に導入された。選手の総年俸が一定額を超えると課徴金の支払い義務が生じる。年俸の後払いは、そのルールの趣旨をないがしろにしかねないだけに、米球界では批判の声も上がっている。