老舗球団ドジャースの実態…資金力を背景にナンバーワンの地位を不動にした「新・悪の帝国」
日本と深いつながりの多国籍軍
もともと「多国籍軍団」だ。黒人初のメジャーリーガーのジャッキー・ロビンソンが1947年に新人王、49年にMVPを獲得。トミー・ラソーダが監督として指揮を執るようになって以降は、メキシコ人のバレンズエラが新人投手として初のサイ・ヤング賞を獲得。94年には朴賛浩が韓国人として初のメジャーデビュー。翌95年には野茂英雄(現パドレス球団アドバイザー)が入団して日米でトルネード旋風を巻き起こし、熱狂するファンを指す「ノモマニア」という造語も生まれた。
メジャーにおいて日本と最もつながりの深い球団でもある。第2次世界大戦後の1956年には前年のワールドシリーズを制したドジャースが親善試合で来日。10月19日から巨人や選抜チームと19試合も行った。
翌57年にはドジャースのスカウト兼教育係でもあったアル・キャンパニスが作戦や練習法などを書いた「ドジャースの戦法」が日本で発売。スモールベースボールの礎でもある同書は日本のプロ野球界にも大きな影響を与えた。川上哲治監督率いる巨人がフロリダのベロビーチでドジャースと共同キャンプを行ったのは61年のことだ。
オフに獲得した佐々木朗希も含め、これまでドジャースに在籍した日本人選手は計12人。現在は大谷、山本由伸、佐々木と、日本が優勝した23年のWBCの主力を軒並み手中にしているが、今後もヤクルトの村上宗隆や中日の高橋宏斗ら、日本のトップクラスの選手を根こそぎ獲得する構想がドジャースにはあるといわれる。
●創立 1883年
●本拠地 カリフォルニア州ロサンゼルス
●ワールドシリーズ制覇 8回
●リーグ優勝 25回
●地区優勝 22回