「大谷翔平バブル」で動いた超巨大マネーの全貌…MLBは日本開幕シリーズでこんなにボロ儲けしていた!
中国、欧州、インドは「海に塩」
──MLBと球団にとってはやはり日本市場は魅力がある。
「マンフレッド・コミッショナーは、記者会見で“ビリオンダラー(1500億円)の可能性がある”と表明していましたね。巡り巡って、やっぱり日本だなという感じだと思います。選手の供給市場としても、ビジネスの市場としても非常に大きいのに加え、日本はマーケットが成熟している。MLBは世界戦略を考えていて、ヨーロッパやオーストラリアで試合をし、中国やインドなどでオフィスを開設してプロモーション活動を続けていますが、海に塩をまいているような感じだと思います。(2019、23年に続き)昨季も6月にロンドンで公式戦をやり、メキシコやプエルトリコなどの中南米でも開催してきました。ただ、日本に比べるとマーケットが小さい。日本にはプロ野球もあるし、やっぱり国際戦略の中心は日本だなと思うでしょう。もちろん、その中で大谷翔平の存在は大きい。スーパースターは最強商品。大谷翔平という太陽の存在があるから、月(佐々木朗希や山本由伸ら他の選手)も光るわけです」
──-放映権料も大きい。
「実はMLBにとって日本のテレビの放映権は非常に安く、大きな利益にはなりません。過去に何度も値上げを繰り返してはいますが、それでも日本からの放映権料は推定で年間200億円。MLBのテレビの放送権収入は年間約6000億円ぐらいあるので、メジャー全体の3.3%程度なんです」
──中心はやはりライセンスビジネスですか。
「MLBの総収入は1兆7000億円ですが、権利販売の集積です。チケットも放送もスポンサーもライセンスも、すべて権利販売です。だから、権利関係にはものすごく厳しい。例えばMLBはナイキ社とスポーツグッズ最大手のファナティクス社とユニホームのサプライヤー契約を結んでいるので、30球団はナイキ社以外のスポーツアパレルブランドと契約できません。大谷選手個人はニューバランスと契約していますが、ニューバランスは大谷選手のユニホーム姿を広告に使うことは絶対にできません」