北上次郎のこれが面白極上本だ!
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「夢でもいいから」亀和田武著
無名時代の三谷幸喜のカラオケを聞いただけで、コイツ天才だと直感したときのこと。デビュー直後にインタビューした尾崎豊のこと。三茶で飲んでいたらコント赤信号の小宮孝泰が現れて、親戚のオジさんが川崎長太郎…
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「幻綺行完全版」横田順彌著 日下三蔵編
秘境冒険小説というのがある。人跡未踏の地に赴き、冒険行を繰りひろげる小説のことで、ハガード著「ソロモン王の洞窟」、ヴェルヌ著「地底旅行」、小栗虫太郎著「人外魔境」など数々の名作がある。 この…
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「真夜中のすべての光」(上・下)富良野馨著
本書は、「講談社NOVEL DAYS リデビュー小説賞」の受賞作だが、困ったな、詳しい内容紹介が出来ない。 なぜなら、えーっ、こうなるのかよ、ホントかよ、と何度も驚きながら読んだのである。次…
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「果てしなき輝きの果てに」リズ・ムーア著、竹内要江訳
これはまず、姉妹小説だ。姉のミカエラ(ミッキー)と妹のケイシーは、幼いときから祖母のジーに育てられる。裕福な暮らしではないが、それなりに幸せな幼少時代を過ごしてきた。物静かな姉と、活発な妹の、さまざ…
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「銀色の国」逸木裕著
現実の世界で生きづらいと感じている人間が「銀色の国」にやってくる。そこは、VRの世界だ。バーチャルリアリティー。ゴーグルをかけると、誰もがその国に行くことができる。現実を忘れることができる。いやそれ…
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「四神の旗」馳星周著
「比ぶ者なき」に続く古代史小説だ。前作を未読の方も安心して読まれたい。私自身も前作の存在を知らず(すみません)、本書を読んであわてて前作に遡った。 いやあ、面白い。馳星周初の時代小説が古代史小…
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「レッド・メタル作戦発動(上・下)」マーク・グリーニー&H・リプリー・ローリングス四世著 伏見威蕃訳
共著者のH・リプリー・ローリングス四世は、アメリカ海兵隊の大隊長をつとめた元軍人。本書は、ハイテク軍事スリラーなので、軍事作戦の細部をレクチャーしてもらったと思われる。執筆はもちろん全部、グリーニー…
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「人生がそんなにも美しいのなら」荻原浩著
直木賞作家・荻原浩の漫画作品集である。あとがきを読むと、荻原浩はもともと漫画家を志していたという。ところが描いてはみたものの、うまくいかず、断念して広告制作会社に就職。コピーライターとして働いたのち…
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「カメレオンの影」 ミネット・ウォルターズ著 成川裕子訳
軍歴のある一人暮らしの男が殴殺される事件が多発し、容疑者として尋問されたのが英国陸軍中尉のアクランド。彼は派遣先のイラクで、爆弾によって2人の部下を死なせ、自身も片目を失う重傷を負う。そのためか、部…
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「アウターライズ」赤松利市著
アウターライズとは、陸地から見て離れた外側の地形のことで、そこで起きる地震は離れているために陸地の揺れは比較的に小さい。ところが、併発する津波は大規模なものになりやすい。 そのアウターライズ…
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「雪と心臓」生馬直樹著
近年、もっとも魅力的なヒロインである。本書に登場する帆名だ。 勉強も運動も群を抜いているが、遊びの面でも鮮やかだから、これでは勇帆の立場がない。本書の語り手である勇帆は次のように述懐する。 …
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「女神のサラダ」瀧羽麻子著
ほうれん草は、葉物の中でも飛び抜けて寒さに強い。霜をかぶって半分凍ってしまったように見えても、昼間の日差しに当たれば復活する。溶けた霜が露となって畑一面をきらきらと輝かせるのだ。高樹農園に入社したば…
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「探偵は絵にならない」森晶麿著
濱松ハードボイルドだ。この作品が誕生したのは、映画「探偵はBARにいる」のノベライズを担当したことがきっかけだった、と著者はあとがきに書いている。2011年に「黒猫の遊歩あるいは美学講義」で第1回ア…
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「文身」岩井圭也著
須賀庸一は、酒乱で女好きで乱暴者で、「最後の無頼派」と呼ばれる作家だった。しかし文壇のみならず、世間が騒然としたのは、庸一の妻が海外の殺鼠剤を溶かした麦茶を飲んでしまう事件(遺書が出てきたことで警察…
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「三年長屋」梶よう子著
3年住むと願いがかなうという長屋がある。居職の者なら工房と弟子を抱え、棒手振り稼業なら表店を出し、女子は良縁に恵まれるというところから、ついた名だ。 その長屋の差配が左平次。差配とは、家主に…
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「深層地下4階」デヴィッド・コープ著 伊賀由宇介訳
いやあ、面白い。読み始めたらやめられない面白さだ。 1970年代に打ち上げられたロケットの破片が地球に落下してきたとき、打ち上げ時には存在しなかったものを宇宙から持ち帰ってくる。それは、火山…
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「言の葉は、残りて」佐藤雫著
鎌倉幕府3代将軍、源実朝のもとに、摂関家の娘・信子が嫁いでくるところから、この物語は始まっていく。そのとき実朝は13歳、信子は12歳。つまり、幼い少年と少女である。したがって、のどかで、優しく、ほの…
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「暗渠パラダイス!」髙山英男、吉村生著
暗渠とは、川や水路など水の流れに蓋をしたものを指す。これに対して、水面が見える普通の川や水路は、開渠または明渠という。その暗渠を街中で探しては楽しむ人を、暗渠マニアと呼ぶが、本書は、そのマニアが書い…
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「いいからしばらく黙ってろ!」竹宮ゆゆこ著
最初に書いておくが、たいした話ではない。バーバリアン・スキルという弱小の劇団に飛び込んで、その運営に携わるヒロイン(彼女は大道具の才能まであるから重宝される)の疾風怒涛の活躍を描く長編だが、どうやっ…
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「夕陽の道を北へゆけ」ジャニーン・カミンズ著 宇佐川晶子訳
緊迫感あふれる物語だ。メキシコからアメリカをめざす母子の息詰まるような逃避行を描くロードノベルだが、読み始めるとやめられなくなる。 著者の覚え書きによると、2017年、メキシコは世界でもっと…