企業深層研究
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北越コーポレーション(下)バトルの根底は大王製紙創業一族の抗争にあった
大王製紙の創業家一族が設立した大王海運が北越コーポの株式を大量に取得する狙いについて、北越コーポ側は次のように断じる。 〈大王海運は実質的オーナーの井川俊高が北越コーポが保有する大王製紙株を手…
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北越コーポレーション(上)株主総会で社長解任決議案は否決されたが「賛成38%」の波紋
製紙業界5位、北越コーポレーション(東証プライム上場)は6月27日、発祥の地、新潟県長岡市で、定時株主総会を開いた。岸本晢夫社長の進退を巡る委任状争奪戦は現経営陣が僅差で投資ファンドを制した。 …
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ダイドーリミテッド(下)旧村上Fグループは高値で売り抜けか?
6月27日、ダイドーリミテッドの株主総会が都内で開かれた。32.2%の議決権を持つという旧村上ファンド系のアクティビスト(物言う株主)のストラテジックキャピタル(以下SC)が株主提案を行っており、そ…
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ダイドーリミテッド(上)物言う株主に抵抗し、総会直前に急きょ経営陣を入れ替え
6月は3月決算会社の株主総会の季節であった。6月の株主総会でアクティビスト(物言う株主)から株主提案を受けた会社数は年々増えており、2024年6月は、3年続けて最多の91社に達した(三井住友信託銀行…
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シャープ(下)「さすが鴻海流」からの転落…液晶なきあとのブランドイメージとは
21世紀の入り口から2008年のリーマン・ショックまでの間、電機業界でもっとも輝いていたのはシャープだった。他社に先駆け液晶テレビへのシフトを果たしたことで業績を大きく伸ばすことに成功した。国内経済…
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シャープ(上)液晶パネルが不振…呉柏勲前社長は当初“続投宣言”だったが突如の解任劇
「2024年度こそ、黒字化を成し遂げ、中期経営方針をやり切ることが私の責務である」 シャープ・呉柏勲社長の5月14日の発言だ。 この日、シャープは24年3月期決算を発表、2期連続の最終…
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経団連の会長人事(下)本命は日鉄の橋本英二会長、対抗はNTTの澤田純会長としておく
次期経団連会長は誰か。衆目の見るところ本命は日本製鉄の橋本英二会長である。対抗は、その勢いを買って、ここではNTTの澤田純会長としておく。 日鉄は米鉄鋼大手・USスチールの2兆円買収の渦中に…
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経団連の会長人事(上)後継レースは「ソニー吉田憲一郎会長」を軸に置くという説
日本経済団体連合会(経団連)は5月31日、都内で定時総会を開いた。十倉雅和会長(住友化学会長)の任期は残り1年となった。十倉氏は記者会見で後任の会長人事について、「後任者は決めていないが、選ぶのに困…
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しまむら(下)2024年2月期は過去最高…4年前のどん底から見事に復活するまで
ファッションセンターしまむらなどを展開する衣料チェーン、しまむらが好調だ。2024年2月期の売上高は前期比3.1%増の6350億円、営業利益は3.8%増の553億円、純利益は5.4%増の400億円。…
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しまむら(上)投資家に転身したマネックス創業者が株主提案
低価格衣料チェーンのしまむら(東証プライム上場)は5月17日、さいたま市内で定時株主総会を開いた。マネックス系投資ファンドのマネックス・アクティビスト・マザーファンド(MAMF)が提出した株主提案は…
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NTT(下)ドコモ新社長はリクルート出身の転職組 NTT生え抜き以外では初めて
NTTグループは、NTTの澤田純会長が代表権を外れるのと同時に主力事業会社3社のトップが6月中に交代する人事を断行した。 NTTドコモは井伊基之社長(65)が相談役に退き、前田義晃副社長(5…
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NTT(上)澤田純会長は財界活動に軸足 島田明社長に権限を集中して「王国」再生を目指す
NTTは6月20日開催の株主総会で澤田純会長(68)の代表権を外した。会長職は続ける。コーポレートガバナンス(企業統治)の観点を踏まえて島田明社長(66)に権限を集中する。 2022年6月、…
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TOPPANホールディングス(下)紙印刷は減っても3期連続増収 エレクトロニクスが牽引役に
TOPPANホールディングスの本社は長らく東京・千代田区の秋葉原駅近くにあった。しかし2021年4月、文京区のトッパン小石川ビルに本社機能を移した。飯田橋から江戸川橋に向かっていくと右側に見える近代…
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TOPPANホールディングス(上)業界のトップランナーが社名から「印刷」を外した理由
凸版印刷と大日本印刷。印刷業界の2強であり、切磋琢磨する関係だ。設立は凸版の1908年に対し、大日本は1894年。ともに100年を超える歴史を誇る。1949年5月に揃って上場した。 売上高は…
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WECARS(下)伊藤忠の狙いは自動車アフターマーケットの強化にあり
企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)とは何者か。 外資をまったく入れず、日本政策投資銀行や年金基金、大手金融機関といった国内資金だけで組成する企業再生ファンドの先駆者であ…
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WECARS(上)主役は企業再生ファンド 再建した暁に伊藤忠に引き渡す
伊藤忠商事と子会社でガソリンスタンド事業などの伊藤忠エネクス、企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)の3社は5月1日、保険金不正請求事件で経営危機に陥った中古車販売大手ビッグモータ…
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西友(下)「小売業再生の請負人」大久保恒夫社長兼CEOと大株主KKRにすきま風が
西友はかつては西武百貨店(現そごう・西武)とともに、(故)堤清二氏が率いる旧セゾングループ(西武流通グループ)の中核企業だった。 バブル崩壊でセゾングループは解体。2002年に西友は小売業世…
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西友(上)北海道・九州から撤退…道内9店舗を手に入れたイオン北海道の狙い
西友(東京都、非上場)は北海道と九州の店舗を売却する。 北海道では、道内の全9店舗をイオン北海道に170億円で売る。10月以降、イオン系列の店として再出発する。イオンやマックスバリュなどに看…
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小林製薬(下)企業体質を変えなければ存続不可
小林製薬の「紅麹」サプリメントによる健康被害問題は、機能性表示食品のサプリの存続に発展した。 市場調査会社インテージがドラッグストアなど約6000店を対象にした調査によると、機能性表示食品の…
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小林製薬(上)「紅麹サプリ」の健康被害原因は未だ特定できず…大阪・関西万博への参加はどうなる?
小林製薬は注目された2024年12月期の第1四半期(1~3月期)決算を今月10日に発表した。 製品回収などの費用として特損38億円を計上したが、売上高は前年同期比9%増の364億円、最終利益…