西友(下)「小売業再生の請負人」大久保恒夫社長兼CEOと大株主KKRにすきま風が
西友はかつては西武百貨店(現そごう・西武)とともに、(故)堤清二氏が率いる旧セゾングループ(西武流通グループ)の中核企業だった。
バブル崩壊でセゾングループは解体。2002年に西友は小売業世界最大手の米ウォルマートの傘下に入った。ウォルマートが強みを持つEDLP(毎日が安売り)を取り入れたが、価格競争で勝つことはできなかった。ウォルマートは15%の株式を保有し続けるものの、西友の経営から手を引くことになった。
21年3月、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と楽天(21年、楽天グループに社名変更)が共同出資する形で新たな経営体制がスタートを切った。
「小売業再生の請負人」の異名がつく大久保恒夫氏が西友の社長兼CEO(最高経営責任者)に就任した。
大久保氏は1979年3月に早稲田大学法学部を卒業、イトーヨーカ堂に入社。独立して、90年にコンサルティング会社、リテイルサイエンスを設立。ユニクロ、無印良品の経営改革で名を高めた。