シャープ(上)液晶パネルが不振…呉柏勲前社長は当初“続投宣言”だったが突如の解任劇
シャープ(上)
「2024年度こそ、黒字化を成し遂げ、中期経営方針をやり切ることが私の責務である」
シャープ・呉柏勲社長の5月14日の発言だ。
この日、シャープは24年3月期決算を発表、2期連続の最終赤字が明らかになった。呉社長は2年前に就任したが、同時に赤字に転落、前3月期も浮上できなかった。
それでも呉社長は冒頭の言葉のように、続投し、決算と同時に発表した中期経営方針を主導する意欲を示していた。
それから1カ月後の6月26日。翌27日に定期株主総会を開くことになっていたシャープは、突如、呉氏が退任し、沖津雅浩副社長が昇格すると発表した。呉前社長が2期連続赤字の責任を取らされたことは明らかだった。
赤字の原因ははっきりしている。液晶ディスプレー事業の不振だ。シャープのディスプレーデバイス事業は23年3月期に664億円の赤字を計上、それが響いて連結決算は2608億円の最終赤字となり、前3月期決算でもディスプレーデバイス事業の赤字は832億円、連結最終赤字は1499億円だった。