TOPPANホールディングス(下)紙印刷は減っても3期連続増収 エレクトロニクスが牽引役に
TOPPANホールディングスの本社は長らく東京・千代田区の秋葉原駅近くにあった。しかし2021年4月、文京区のトッパン小石川ビルに本社機能を移した。飯田橋から江戸川橋に向かっていくと右側に見える近代的なビルが新本社だ。
この本社ビル内にあるのが「印刷博物館」。ここには奈良時代印刷された「百万塔陀羅尼」という、現存する世界最古の印刷物が収められている。それ以外にも歴史的印刷物があり、ここに来れば印刷の歴史を目の当たりにすることができる。
このように日本の印刷業を牽引してきた凸版印刷から、「印刷」を外してTOPPANホールディングスに生まれ変わったのは昨年10月のこと。これは、印刷の枠にとらわれず事業領域を大きく広げていくとの会社としての意思を示している。
前回(6月19日付)、記したように、TOPPANの売り上げの中で、出版物の印刷はむしろ少数派。チラシなどを含めても紙印刷は全体の3割に過ぎない。人々の活字離れ、そしてメディアのデジタル化が進み、印刷需要は減る一方。しかしTOPPANの売り上げは、前3月期まで3期連続で伸びている。