企業深層研究
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ブラザー工業(下)ローランドDGのMBOは青天の霹靂…TOB提案「3度目の正直」もあえなく破れる
ブラザー工業によるローランドディー.ジー.(DG)への対抗TOB(株式公開買い付け)は、事業会社が投資ファンドに噛みつくという異例の展開となった。 ブラザーが“同意なき買収”に踏み切った背景…
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ブラザー工業(上)仁義なき戦いから一転、ローランドDGの買収を“断念”
日本企業のM&A(合併・買収)の流れが大きく変わってきた。これまでは双方の合意に基づく買収がほとんどだったが、今では同意なき買収が珍しくなくなった。 乗っ取りは、やりたい放題。“仁義なき戦い…
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ロピア(下)埼玉の上場スーパー「スーパーバリュー」買収で“変身”した
首都圏でディスカウントスーパーといえば、オーケー(横浜市)とロピア(川崎市)が双璧だ、といわれている。 東京都、神奈川県の郊外部を中心に店舗展開しているため、2023年10月にオーケーが銀座…
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ロピア(上)カトパンの夫が社長就任後に急成長 イトーヨーカ堂の7店舗を手に入れる
セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂は北海道と東北・信越の17店舗を閉鎖すると明らかにした。ヨーカ堂を2026年2月末までに首都圏など都市部中心の営業網に移行する…
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エルピーダメモリ(下)計画倒産の疑惑が消えないまま坂本幸雄元社長は表舞台から退場した
坂本幸雄はモーレツ経営者だったが、経営力、特に先見性については疑問符をつける向きが多かった。 「パソコン用DRAMは価格が急落したが、スマートフォン用は十分収益を上げていた。それなのにエルピー…
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エルピーダメモリ(上)坂本幸雄元社長が76歳で死去…元祖“日の丸半導体”経営者の栄枯盛衰
今年3月、史上初めて4万円の大台を突破した日経平均株価は年初から7000円も急騰した。AI(人工知能)ブームを追い風に、半導体関連銘柄に買いが集中した。 株式市場が“半導体バブル”に沸き立っ…
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オイシックス・ラ・大地(下)「シダックスを子会社」の次は?
成功した経営者は運を味方につけるといわれる。オイシックス・ラ・大地の創業社長の高島宏平もそのひとりだ。 若きベンチャー起業家は1973生まれの団塊ジュニア世代。東大に入学。大学院では情報工学…
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オイシックス・ラ・大地(上)藤田和芳会長が「放射能汚染水」投稿で辞任の波紋
オイシックス・ラ・大地(東証プライム上場)は2月22日、藤田和芳会長(77)が辞任したと発表した。 同氏はX(旧ツイッター)の個人アカウントで、東京電力福島第1原子力発電所の処理水を「放射能…
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ニデック(下)カリスマ経営者が自動車メーカーのEVシフトを読み違えて大きく躓いた
永守重信グローバルグループ代表の現状を一言で言うなら、カリスマ経営者が自動車メーカーのEV(電気自動車)シフトを読み違えて大きくつまずいたということだろう。 1月24日に2024年3月期の第…
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ニデック(上)在籍2年のソニーグループ出身・岸田光哉副社長を社長に起用した理由
ニデックの長年の課題だった後継者問題は決着するのだろうか。2月14日、4月1日付で副社長の岸田光哉(64)が社長に就く人事を発表した。最高経営責任者(CEO)の座も、創業者の永守重信(79)から岸田…
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ロイヤルHD(下)かつての主力“外食事業”の売り上げ比率は半分以下
1970年代から80年代にかけて外食産業の主役だったファミリーレストラン。しかし90年代以降はバブル崩壊に加え画一メニューが多様性の時代に合わなくなったこともあり、淘汰が進んだ。 その中にあ…
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ロイヤルHD(上)コロナ禍を乗り切ったファミレス業界の“元気印”、お家騒動ぼっ発も
コロナ禍が明けて1年。ようやく外食産業関係者から笑顔が見られるようになってきた。ただし、完全に元に戻ったとは言い難い。しかも、その戻り具合は企業によってばらつきがある。コロナ禍をどう乗り切ったかによ…
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日本株4万円到達の「立役者」…米エヌビディアが半導体売上で世界トップになるまで
2月22日、株式市場は歴史的な一日となった。日経平均はバブル期の1989年12月につけた3万8915円を34年ぶりに塗り替え、株高は継続。3月に入ると一気に4万円に到達した。兜町は「ステージが変わっ…
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豊田自動織機(下)「次の道の発明」の目標は正しくも、達成は至難の業
TOYOTAの歴史は自動織機の発明者、豊田佐吉から始まる。佐吉は年号が明治と改まる1年前の1867(慶応3)年に、遠江国敷知郡山口村(現在の静岡県湖西市)に生まれた。 佐吉が豊田式木鉄混製動…
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豊田自動織機(上)トヨタの“源流企業”で不正…豊田鐵郎会長は退任、創業家出身の取締役はゼロに
トヨタグループの総帥、トヨタ自動車の豊田章男会長(67)は1月30日、名古屋市内でグループの指針について説明会を開き、グループ企業で認証取得に関する不正が相次いでいることについて、「日野自動車、ダイ…
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富士通(下)国内でもトラブル続出「負の歴史」、英国史上最大の冤罪事件の今後は
国内でもここ数年間、富士通のシステムのトラブルが相次いだ。 2020年10月1日、富士通の株式売買システム「アローヘッド」を使用している東京証券取引所でシステム障害が発生。株式売買が終日スト…
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富士通(上)時田隆仁社長が公の場で謝罪…イギリス史上最大規模の冤罪事件の元凶
英国の郵便局を舞台とした同国史上最大規模の冤罪事件の原因となった会計システムを子会社が開発した富士通の時田隆仁社長は1月16日、「郵便局長らとその家族の人生に壊滅的な影響を与えたことをお詫びする」と…
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ニトリHD(下)創業者は終身トップを志向する…似鳥昭雄会長もまたしかり
創業者は終身トップを志向する、といわれる。 いったん退いても、復帰するのは、「オレがつくった会社だ」という強いこだわりがあるからだろう。 ニトリホールディングス(HD)の似鳥昭雄会長…
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ニトリHD(上)似鳥昭雄会長10年ぶりの社長復帰は「創業者の宿痾」
家具・インテリア製造小売り大手のニトリホールディングス(HD)は2月1日付で、中核子会社ニトリの社長に似鳥昭雄ニトリHD会長(79)が復帰した。社長に返り咲くのは10年ぶり。会長兼社長となり、ニトリ…
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ENEOS HD(下)高値で買収した再エネ会社が長崎県沖の決戦で敗北
ENEOSHDの斉藤猛社長は、セクハラで解任される半年前に「日経ビジネス」電子版(2023年6月16日付)でこう語っている。 〈40年度までの長期ビジョンの大きなテーマになるのがエネルギートラ…