TOPPANホールディングス(上)業界のトップランナーが社名から「印刷」を外した理由
凸版印刷と大日本印刷。印刷業界の2強であり、切磋琢磨する関係だ。設立は凸版の1908年に対し、大日本は1894年。ともに100年を超える歴史を誇る。1949年5月に揃って上場した。
売上高は凸版が1兆6782億円、大日本が1兆4248億円と2000億円ほど凸版がリードするが、純利益は凸版743億円、大日本1109億円と逆転する(ともに2024年3月期)。時価総額はともに1兆4000億円台で拮抗している(6月14日時点)。
いずれにしても、日本の印刷業界はこの2社が牽引してきた。
と、ここまで「凸版印刷」と続けてきたが、現在、この社名は存在しない。昨年10月に持ち株会社制に移行し、TOPPANホールディングスの下に事業会社のTOPPANがぶら下がる形となった。その両社ともに社名から「印刷」を外している。昨年来、俳優の大泉洋(写真)と成田凌が軽妙なやりとりをしたあと、「TOPPA!!!TOPPAN」と続くテレビCMが頻繁に流れていた。これは社名から「印刷」を外したことを周知徹底するためのCMだった。