ダイドーリミテッド(上)物言う株主に抵抗し、総会直前に急きょ経営陣を入れ替え
6月は3月決算会社の株主総会の季節であった。6月の株主総会でアクティビスト(物言う株主)から株主提案を受けた会社数は年々増えており、2024年6月は、3年続けて最多の91社に達した(三井住友信託銀行調べ)。
株主提案を受けた企業のなかには、株主総会直前に経営陣を総入れ替えした会社も現れた。経営陣はアクティビストとの直接対決を放棄し、“助け人”に経営を委ねた例もある。
衣料品ブランド「ニューヨーカー」や「ブルックスブラザーズ」を展開する中堅アパレルのダイドーリミテッド(東証スタンダード上場)は5月24日、経営陣の刷新を表明した。コンサルティング会社、ジェミニストラテジーグループ(東京・千代田区)の山田政弘氏を代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)、成瀬功一郎氏を社長兼最高執行責任者(COO)の候補として提案した。鍋割宰社長ら現経営陣は退く。
旧村上ファンド出身の丸木強氏が率いるストラテジックキャピタル(以下・SCと略)は4月17日、鍋割社長らが経営を主導している間は業績や株価が低迷し続けていると批判、経営陣の総退陣と独自取締役候補6人の選任を求め、株主提案を行うと発表した。