老親・家族 在宅での看取り方
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余命1年…家族の希望で本人には末期と悟られないように療養
病気や手術の後などでどの程度で回復するのか、それともしないのかなど、その見通しを指す言葉に「予後」という言葉があります。「予後が良い」といえば順調に回復していくことを意味し、「予後が悪い」場合は、後…
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在宅医療は医療界のバーリトゥード…「なんでもあり」が特徴
昭和の後半まで、家族を自宅で看取ることが一般的でした。しかし医療の進歩や医療政策、社会構造の変化などにより、いまや入院先の病院、介護やレクリエーションが充実した施設での看取りが一般的になっています。…
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これまでの人生を振り返る…思い出の「棚おろし」のお手伝い
訪問診療をする中で、私たちにとって人生の先輩ともいえる患者さんやご家族の方々から貴重なお話を伺うことがあります。 90代や80代後半の方には、戦時中の記憶をはっきりとお持ちな方が少なくありま…
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「緩和」には適切な調整が必要…痛みとの付き合い方は人それぞれ
患者さんの痛みをできるだけ取り除くことは、訪問診療の中でも非常に重要なことのひとつです。痛みがあるだけで、患者さんのQOL(生活の質)が大きく下がり、自宅での療養自体を難しくすることもあるからです。…
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かかってくる電話はさまざま…何度でもどんな内容でも納得いくまで対応
患者さんやご家族への電話対応は、私たちが日頃から気を配って行っていることの一つです。 その内容は、往診日の打ち合わせといった事務的なものだけではありません。病状や薬についての質問の電話もあれ…
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「広い海で舟に乗っているよう」と妻に言い残し92歳男性は旅立った
「死因は敗血症性ショックで、その原因としてはご持病の骨髄異形成症候群が濃厚かと思います」(私) ついのすみかと決めた住宅型老人ホームに奥さまと入居されている92歳の男性の方。前日に容体が悪化し…
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訪問診療をキャンセルされることもたびたび…誰とも話したがらない63歳男性
「痛い、何やってんだよ」(患者) 「調子はいかがですか?」(私) 「悪いに決まってんだろ」(患者) 「血圧測ってもいいですか?」(私) 「嫌だって言ってるでしょ!」(患者) …
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起きたら冷たくなっていて…母の死を確認したのは高校生の娘だった
その患者さんは、旦那さん、大学生と高校生の2人の娘さんとの4人暮らしでした。50代という若さでしたが、卵巣がんの末期。予後が限られているということもあり、今後どのように過ごしていくかという話は避けて…
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末期肺がん80代男性「幸せな思い出をつくれた。いつ死んでもいい」
「病院の無機質な天井を見て死にたくない」 この発言を機に奥さまがネットで在宅医療の存在を調べ、家族総出で病院と討論しあった末に退院。自宅に戻られた肺がん末期の80代後半の男性患者さんがいらっし…
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妻が怖い。このまま死んでいくのはむなしい…80代男性患者が涙ながらに訴えた
在宅医療を始められる方の事情はさまざまです。家族に見守られながら過ごす方から1人暮らしの方。またその家の経済的な事情、ご家族と患者さんとの家庭内における関係性の違いによっても、その療養環境は微妙に変…
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当院スタッフが打ち明ける「自分が入院して初めてわかったこと」
「入院しなくてもよいほど容体が落ち着いた」「寿命にあらがえないなら家族と一緒にいたい」「最期の時は自宅で好きなように過ごしたい」など、在宅医療を開始される理由は患者さんによってさまざまです。今回は、当…
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ささいなことでイライラして怒ってしまう…自己嫌悪する患者さん
「今日5時ごろ来てくれる! って電話で怒っちゃったけど、ごめんね。年取るとね、ささいなことでイライラして手が付けられなくなっちゃう。子供にも注意されてるのよ」 当院では診療に伺う当日の朝、何時…
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在宅医療で気になることができたら大したことがないと思っても電話してください
「いつも輸血をしていただいている者です。両腕に大きなあざができてしまって……。先生に伝えてもらえますか」 ある日のことです。当院で在宅医療を最近始められた患者さんのご家族から、このような電話が…
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呼びかけに応じない状態でも好きなクラシック音楽が流れると目が輝く
「ごめんなさい、間違えてお渡ししてしまったCDを次回の診療の時に戻していただければとお伝えしましたが、やはり聴いているといないとでは、だいぶ変わるから聴かせたいとご家族がおっしゃっていて、着払いでもい…
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医療相談から愚痴まで…患者や介護者の気が軽くなるよう“聞き役”に
自宅での療養を希望される方の中には、その理由として、ペットと一緒にいたいからという方も少なくはありません。 その方は肺がん末期のために通院が難しくなり、在宅医療を開始された75歳女性の患者さ…
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脳腫瘍で余命1~2カ月の30代女性「最期の時を家族と過ごしたい」
その患者さんは脳腫瘍終末期のため、大学病院から余命1~2カ月との宣告を受けた30代後半の女性でした。 当初は病院で積極的に治療することを望まれていましたが、医師からもはやなすすべがないと告げ…
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患者本人は認知症…治療決定に関わる家族は信条で輸血を拒否
骨髄中の造血幹細胞に異常が起きる骨髄異形成症候群。これを患う84歳の男性の患者さんが、入院している病院からの紹介で、私たちのところで在宅医療を開始することになりました。 骨髄異形成症候群は、…
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スマホを積極的に活用…連絡のやりとりが時代とともに変化
ある日突然、1人暮らしの自宅で倒れ、3日目に隣人に発見された肺がん末期の女性(75歳)が当院での在宅医療を開始されました。 聞けば、ここ何年も医療機関にはかかっておらず、日ごろから近所付き合…
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ねぎらってくれてありがたくて…母親の介護をする家族からの電話
それまで介入していた他の在宅医療クリニックの対応に不信感を持った娘さんから、当院に連絡をいただいたのでした。患者さんは娘さんのお母さまで、パーキンソン病を患う75歳女性。 娘さんは医療従事者…
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40代男性からの電話「コロナ後遺症で倦怠感がひどく病院へ通えません」
「コロナ後遺症外来で、フリーテストステロンが5.8と低くて、男性更年期障害って言われました。今後治療を始める予定ですが、倦怠感がひどくて、後遺症外来に行けるのかわかりません。そちらの在宅医療で、男性更…