元開業医の80代患者への訪問診療を通して学んでいること
先日から、フレイル状態の80代前半、元開業医の患者さんへの訪問診療を開始しています。
この方は町の診療所として40年の長きにわたって地域に寄り添い、外来をしながら時には訪問診療にも出られていたという、地域のホームドクターともいえる方でした。
現在は引退され、息子さんが医院長先生として1階部分の診療所を引き継ぎ、2階はテナントとして貸し出し。3階部分を住居スペースとし、息子さん家族との3世帯でお住まいです。
ご自宅に訪問するたびに、医師時代のことや当時の貴重なお話をしてくださり、いつも大変興味深くうかがっています。
現在当院では電子カルテを導入しています。訪問診療時に共に仕事をする訪問看護師へ指示書を発行し、点滴の管理や衛生面の処置、緊急時の対応などをお願いするのに出す指示書も、電子カルテに記入された患者さんの様子をコピー・アンド・ペーストして発行しています。
ですが、その患者さんの診療所ではかつて、各患者さんと向き合った記憶から一枚一枚万年筆で書いた指示書を発行されていたとのこと。それにより患者さんの不安や疑問を感じ取り、時に信頼されていることを実感できたとおっしゃいます。