放置れされがちな皮膚疾患 特に高齢者ではQOLに大きな影響が
訪問診療先では寝たきりの患者さんも多いですから、床ずれ(褥瘡=じょくそう)や血流悪化による足の壊死(えし)に対応することは日常的です。また、高齢の方では、足腰の手術などをきっかけに歩き方に癖ができ、各足の指の適度な踏みしめが十分にできなくなり、巻き爪になったりむくみやウオノメなどができることが多くあります。
ただでさえ歩くことが少ない高齢者の方々が、これら足のトラブルにより「痛いから」と歩かなくなると、なおさら体力や筋力の減少にもつながり、ADL(日常生活動作)の低下を招くことにもなります。とはいえ無理して歩くと転倒のリスクもあります。高齢者のフットケアは多様な要素が関連することから、包括的に見る必要があると考えます。
実際そんな患者さんに対して、これまではご家族の協力も仰ぎながら、各スタッフが患者さんの状況を確認し、臨機応変に対応してきました。
しかし私たちはさらに専門的に対応するため、新たに2020年から皮膚科医を、2022年からは形成外科医を医療チームの一員に加えています。それにより、例えば4週間以上かかっても治らないような創傷、いわゆる皮膚の損傷である慢性創傷や、重度の皮膚疾患などに、これまで以上にしっかり対応できるようになりました。