ささいなことでイライラして怒ってしまう…自己嫌悪する患者さん
「今日5時ごろ来てくれる! って電話で怒っちゃったけど、ごめんね。年取るとね、ささいなことでイライラして手が付けられなくなっちゃう。子供にも注意されてるのよ」
当院では診療に伺う当日の朝、何時ごろに患者さんの自宅に到着するのかを連絡しています。その日、とある患者さんのお宅へ連絡をしたところ、たまたま患者さんの機嫌が大変悪く、怒りの声を浴びせられたのでした。
ところがいざ約束の時間にお宅へ伺うと、患者さんは強く言ったことをひどく悔いていらっしゃいました。
「白内障があるから眼科にも行かないといけなくてね。でも今日行くのか迷ってイラついて、ついきつく言っちゃったの。電話した後で自己嫌悪になってね。最近は特に天気が悪いとイライラしたり暗い気分になって八つ当たりしちゃうのよ。本当にごめんなさいね。いつも連絡くれる子(診療パートナー)いい子なのよ。年取るとこんなことばっかりだよ」
この患者さんに限らず、認知症や統合失調症など病気の影響で性格が変わってしまうことは珍しくありません。時に暴言を吐かれたり、いわれのないクレームを受け、それにより職員が精神的に疲労することもあるものですが、一方で、この患者さんのようにご本人が反省し、逆に自己嫌悪に陥り精神的に落ち込んだりすることもあるのです。