在宅医療で気になることができたら大したことがないと思っても電話してください
「いつも輸血をしていただいている者です。両腕に大きなあざができてしまって……。先生に伝えてもらえますか」
ある日のことです。当院で在宅医療を最近始められた患者さんのご家族から、このような電話がありました。
気になることが生じたときは遠慮なくいつでも連絡してくださいと、日頃から患者さん、ご家族にお伝えしています。
患者さんやご家族が最初は連絡をためらい、しかし「一応、念のため」と連絡をくれ、その結果、重篤な状態に陥ることを回避できたケースは数限りなくあります。言い換えれば、その逆も。
大したことがないように思える話でも、医師が聞けば非常に重要な病変の兆候を読み取ることができるかもしれない。
とはいえ、どのようなときに電話したらよいのか迷うもの。患者さんやご家族の性格でも異なります。私たちが言っているのは「少しでも違和感を覚えたら」。
患者さんご本人の違和感では「痛みが出てきた」「ほてる」「寒けがする」「動悸がする」「胸が詰まった感じがする」など。またご家族から見た様子では「呼吸の状態がいつもと違う」「変なにおいがする」「呼びかけへの反応が鈍い」「皮膚の状況が少し違う」など。場合によってはそのまま電話でお手持ちの薬から服薬をアドバイスすることも。もちろん、必要と判断すれば速やかに往診に伺います。