ねぎらってくれてありがたくて…母親の介護をする家族からの電話
それまで介入していた他の在宅医療クリニックの対応に不信感を持った娘さんから、当院に連絡をいただいたのでした。患者さんは娘さんのお母さまで、パーキンソン病を患う75歳女性。
娘さんは医療従事者で患者さんの家の近くに家庭を持ち、身重にもかかわらず診療に同席したり3つの訪問看護ステーションを介入させるなど、ご自分の医療的知見を生かしながら責任感を持って介護に積極的に参加されていました。
患者さんは気管切開を経て、のどのチューブの交換やたんの吸引を必要とされています。このような患者さんの多くは、退院して家に戻った後、ご家族がその交換や吸引を担います。在宅医療の現場では、指導しながら一緒に行うことは珍しくありません。
ある時、のどのチューブであるカニューレが詰まってしまったと電話が鳴り、往診に向かいました。
「完全に詰まったわけじゃないですが、以前詰まった時に1週間前からこういう予兆があって。なので早めに連絡させてもらいました。でも今は詰まってないから……。来週は危ないけど、今週末くらいまでは今のままでいけるかもです」(娘)