誤嚥のリスクが多少あっても好きなものを食べさせてあげたい
「本日診察しまして、ご本人はおいしくないからとペースト食ではなく、普通の食事がいいと相談を受けました。それがだめなら、せめて主食はお粥がいいとおっしゃっていました。多少リスクはありますが、普通のおかずよりはお粥のほうがイレウス(腸閉塞)の再発リスクは少ないと思いまして、主食のみお粥に替えることにします」(私)
高齢の患者さんを比較的多く診ている当院では、介護者のほとんどが息子さんや娘さんといった現役世代。そのため、昼間の診療には仕事で同席できない方も多いです。「診療時の様子を聞きたい」と後からお電話をいただくことは珍しくなく、その場合は移動中や診療後など、時間の許す限り丁寧に病気の説明や介護のアドバイスをするように心がけています。
「徐々に食べられるものを増やしていければと思います」(私)
「はい」(息子さん)
「おかずはいろいろな種類があるので、いったんペースト食で様子を見ましょう」(私)
この患者さんはイレウスと誤嚥性肺炎により、緊急搬送と入退院を繰り返している70歳代の女性の方。