ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」
-
《柴原洋の巻》お手本のようにレギュラー定着も「四天王扱い」に不満を抱いていたワケ
1996年のドラフトで1位・井口忠仁(現・資仁)、2位・松中信彦に続く3位で指名されたのが柴原洋(50)です。 上位指名が打者3人ということもあり、打撃投手の間では「誰が一番、成績を残す?」…
-
《新垣渚の巻》資質だけならナンバーワンも「うちなー時間」が玉にキズ
2000年代のホークスは、好投手揃いでした。斉藤和巳という大エースがおり、杉内俊哉、和田毅の左腕二枚看板もいる。しかし、僕が「素質は彼ら以上」と思っていたのが、新垣渚(44)です。 MAX1…
-
《摂津正の巻》監督とコーチの意見が対立した先発転向…突然水を向けられて、たまったものじゃなかった
先発からリリーフに転向して成功する投手はそれなりにいますが、逆はなかなか難しい。それを成し遂げたのが摂津正(42)です。 1年目の2009年から70、71試合に登板し、2年連続で最優秀中継ぎ…
-
《馬原孝浩の巻》守護神抜擢は二軍コーチのファインプレー…勝利の方程式「SBM」ではリーダー格
人間何が起こるかわからないものです。通算182セーブを挙げた馬原孝浩(42)がそうでした。 2003年のドラフト自由枠で九州共立大から入団。最初は先発として期待されていましたが、なかなか結果…
-
《松田宣浩の巻》死球禍に思わず弱音、まったく熱くなかった若手時代「このままだと年俸5000万円以上取れない…」
2015年のチームスローガンだった「熱男」を自らの代名詞にしたのが、松田宣浩(41)です。 ホームランを打つと、ベンチ前で右拳を突き出し、「あつおー!」と絶叫。自軍の攻撃中はベンチから声をガ…
-
《千賀滉大の巻》育成から這い上がった右腕が持つ強烈な“自己”…何度も聞いた「それは違います」
今でこそメジャーを舞台としているメッツの千賀滉大(31)ですが、入団当初はまったく無名の高校生でした。 愛知県の蒲郡高校から2010年育成ドラフト4位で入団。本人も最初は「とんでもないところ…
-
《内川聖一の巻》球界屈指の好打者が尻込みしたブーイングの中でのヒーローインタビュー
当時の日本球界を代表する安打製造機、それが内川聖一(42)です。 打撃技術は言うまでもなく超一流。イベントで小学生から「どうしたら、そんなにヒットを打てるんですか」と聞かれ、「簡単ですよ。誰…
-
《川崎宗則の巻》代名詞になった「チェスト!」誕生秘話…初披露で客はドカンと盛り上がり選手たちも大笑い
「チェスト!」の掛け声が合言葉のムネリンこと遊撃手の川崎宗則(43)。ファンの間では有名な話ですが、入団当時は守備がひどく、本人も実家に電話して「もう無理、この世界」と愚痴っていたくらい、周囲との差を…
-
《井口資仁の巻》ルーキーイヤーで雁の巣球場の最多観客動員記録を作ったスター性
青学大4年時の1996年はアトランタ五輪の日本代表に選ばれ、3年時の年間12本塁打、大学通算24本塁打はいまだ東都大学記録として名を残す井口資仁(49=前ロッテ監督)。 96年のドラフト直後…
-
《松中信彦の巻》死球覚悟でないと抑えられなかった平成の三冠王
いつの試合かは覚えていませんが、おそらく西武戦だったと思います。松中信彦(50)が打席に立った時、信じられないものを見たことがあります。それは捕手の位置。 モニターに映るセンターからの映像を…
-
《杉内俊哉の巻》「熱い男」一度だけ見せた弱気「お願いだから点を取ってください」
現在、巨人で投手チーフコーチを務める杉内俊哉(43)の性格をひと言で言えば、「熱い男」です。 入団3年目の2004年、KOされた自身の不甲斐なさに怒り、ベンチを殴って両手の小指を骨折したのは…
-
《斉藤和巳の巻》助っ人外国人の信頼も勝ち得ていた絶対的エース
当時のホークスで誰もが認めるエースといえば、現在四軍監督を務める斉藤和巳(46)です。杉内俊哉や和田毅らエースと呼ばれた投手たちも、「どうやったら和巳さんを追い越せるんだろうか」と常に考えていたほど…
-
《工藤公康の巻》人気トレーニング施設を「あれは嫌いだな」と言ったワケ
元監督の工藤公康さん(61)とは、工藤さんがダイエーで現役だった頃からの付き合いです。 当時、打撃投手だった僕はウマが合うのか「一郎、一郎」と可愛がってもらいました。工藤さんが下の名前で他人…
-
《藤本博史の巻》球団「怖い人トップ3」だけど、こまやかに気を使う人情家
ヒゲをたくわえ、いかにもコワモテといった風貌。前監督で、現在は球団の特別アドバイザーを務める藤本博史さん(60)はその見た目通り、厳しい面があります。 柳田の項で書いたように、一度やると決め…
-
《城島健司#2》最優秀バッテリー賞の授賞式で先輩投手に仕掛けた「いたずら」の中身
釣りとゴルフと麻雀が大好きな城島健司(48)。陽気な性格は多くのファンが知るところでしょう。 入団時から僕とはウマが合い、年末まで城島の取材が入っていたある年、突然、「田尻さん、大晦日は予定…
-
《城島健司#1》辛口の松永浩美さんを「本当に10年に1人の選手かもしれん」と唸らせた新人時代
球団会長付特別アドバイザーを務める城島健司(48)は、僕が打撃投手をしていた1994年ドラフト1位で別府大付高から入団しました。 あれは忘れもしない95年、オーストラリアのゴールドコーストで…
-
《本多雄一の巻》頭からフェンスに激突してもボールを離さないガッツの持ち主
今回はホークスの一軍内野守備走塁コーチを務める本多雄一(39)の回になります。地元福岡県生まれで鹿児島実業に野球留学し、三菱重工名古屋でプレー。2005年大学・社会人ドラフト5巡目で入団しました。 …
-
《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド
過去、さまざまな選手がプロ野球の門を叩きましたが、スチュワート・ジュニア(24)ほど入団経緯が珍しい選手もいないでしょう。 2018年メジャーのドラフトでブレーブスから1巡目、全体8位で指名…
-
《周東佑京の巻》育成時代は頭を抱えるほど手を焼いたアピール下手のスピードスター
足だけでプロ入りと支配下枠を勝ち取り、日本代表にも選ばれたスピードスター。それが周東佑京(28)です。 2017年育成ドラフト2位で指名されたのは足の速さが群を抜いていたからです。当時、ホー…
-
《甲斐拓也の巻》「人は人、自分は自分」の言葉を胸に刻んで這い上がった苦労人
ソフトバンクのキャンプは一軍に相当するA組と二軍相当のB組に分かれており、同じ敷地内で行っています。ある年のキャンプ中、たまたまB組のグラウンドに目を向けると、捕手が練習をしていた。 その中…