《馬原孝浩の巻》守護神抜擢は二軍コーチのファインプレー…勝利の方程式「SBM」ではリーダー格
人間何が起こるかわからないものです。通算182セーブを挙げた馬原孝浩(42)がそうでした。
2003年のドラフト自由枠で九州共立大から入団。最初は先発として期待されていましたが、なかなか結果が出ない。転機となったのは2年目の05年です。
春先から先発調整をしていましたが、一軍には斉藤和巳をはじめ、和田毅、杉内俊哉らそうそうたる顔ぶれ。馬原を一軍で投げさせる機会をつくりたくても、入る隙がない。二軍投手コーチの杉本正さんも「どうしようか……」と悩んでいました。
そこで杉本さんは「中継ぎとして上に推薦しよう」と提案。僕が「あのメンツに先発で入るのは厳しいですからね」と同意すると、杉本さんも「一郎もそう思うか。よし、中継ぎで行かせよう」と、馬原をリリーフ調整に切り替えさせました。
二軍では抑えを任せたところ、1イニングを全力で投げるのでまったく打たれない。交流戦で一軍に呼ばれると、結果を出して抑えに定着。まさに杉本さんのファインプレーとも言える配置転換が功を奏したのです。