「甘いお菓子は食べません」田中兆子氏

公開日: 更新日:

■割り切った関係もアリ

 武子にセックス相手紹介所を教えてくれた親友、バツイチの香穂は広告代理店の営業部長。3編目「母にならなくてもいい」の主人公だ。会社では部下の失敗をフォローし、プライベートでは母が亡くなった後の父をケア。有能。紹介所の仲介によるS氏と割り切った関係にあった。

「香穂がセックス相手を必要としたのは、何年もセックスしていないと自覚した途端、女としての自信がぐらついたから。セックス相手紹介所はフィクションですが、あれば利用したい人も多いと思います。相手のS氏は、IT企業に勤める39歳のいい男(笑い)」
 S氏がアルコール依存症の妻を守る義務感を持つ素性が明らかにされる4編目「残欠」へと続き、一気に読ませる。ベッドシーンもたびたび登場。現代の40代女性の“心ばえ”をがっつり知れる連作だ。
(新潮社 1400円)

▽たなか・ちょうこ 1964年、富山県生まれ。短編「べしみ」で第10回「女による女のためのR―18文学賞」の大賞を受賞。同作品も本書に収録。東京都在住。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か