勝新太郎 コカイン不法所持と迷言録
<1992年3月>
「もうパンツをはかないようにする」の迷セリフで有名な勝新太郎のコカイン不法所持事件。90年1月にハワイで逮捕された勝は罰金判決を受けた後も、1年4カ月ハワイに“籠城”し、パンツ発言以外にもさまざまなパフォーマンスを繰り広げた。勝は帰国後の裁判でも珍発言を連発し、法廷は爆笑の渦に包まれた。
90年1月17日、羽田発の中華航空機でホノルル空港に降り立った勝(当時58)のパンツの中からコカイン1.75グラム、マリフアナ9.75グラムが発見された。ハワイ当局から下された処分は罰金1000ドルで即日釈放という寛大なものだったが、事件はその後、異例の展開を見せることになる。
日本に戻ると「麻薬取締法の密輸出罪」で警視庁に逮捕されることになると考えた勝は、帰国せずハワイに居座る作戦に出た。罰金刑確定後の記者会見で「不徳の致すところ」と謝罪したが、「なぜ、コカインを持っていたのか、オレが知りたいんだ。ハメられたとか、ハメられないとか、オレが知りたい」ととぼけたコメント。さらに入手ルートについては、「機内で“勝さんのファンです”という男性から包みを渡された」と日本からの持ち出しを否定。パンツの中から発見された理由についても、「大麻かコカインと思ったのでとっさにパンツに入れた」と言い訳した。