勝新太郎 コカイン不法所持と迷言録

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 91年3月12日、ハワイの移民帰化局から強制退去命令が出される。この時、会見で出たセリフが冒頭のパンツ発言。強制退去処分に異議申し立てをして帰国を先送りし、麻薬撲滅チャリティーにも出席した。「愛するハワイで麻薬事件に巻き込まれてしまい、なんとお詫びしていいものか」と挨拶し、「世界中の若者をドラッグから救いたい」と語った。「この苦しみを忘れるなと戒めてくれるのはパンツ」と冗談も飛び出した。

 もっとも、いつまでもハワイに居座るわけにもいかず、5月12日、「総理大臣の代わりはいるが、オレの代わりはいない」「オレは権力と闘う」と、482日ぶりに帰国。警視庁から事情聴取を受ける。

 しかし、演技にかけては百戦錬磨の勝は「機内でもらった」という主張を崩さず、取調官も振り回されるばかり。裁判でも「オレを突き飛ばした捜査官も座頭市の悪役のように謝ってきたが、NGだよ」。証拠品の大麻を見せられた時は「これはモノが良くない」。機内で麻薬を渡した男性について問われると「あれは神様? 今度のことは神様がオレに与えた試練だ」と仰天発言を繰り返した。

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