ビンタ場面で放送NG 映画「ホームレス理事長」の問題提起
地上波で放送拒否された地方局ドキュメンタリーが劇場公開されて話題になっている。東海テレビ制作の映画「ホームレス理事長」(ポレポレ東中野ほか全国公開中)だ。
野球で高校に進学しながらドロップアウトした球児たちに、再び野球と勉強の場を与えようと設立された「NPOルーキーズ」(愛知県常滑市)が舞台。ほとんどの子供が寮で生活し、野球をやりながら外部の通信教育を受け、高校卒業の資格を目指している。
問題となったのは、野球チームの監督が、自殺未遂騒ぎを起こした生徒にビンタを9発お見舞いするシーン。「放送基準に触れる」と視聴者から批判が殺到。“問題作”のレッテルを貼られて、キー局のフジテレビやほかの地方局に放送を拒否されてしまう。
監督の土方宏史氏は、「放送時が桜宮高校の体罰問題と重なって…。視聴者から<親が見ていたらどう思うか>と言われました。正解のないものだからクレームがくるとは思わなかったし、ビンタのシーンもあえて落とさなかったのです」と釈明するが、批判の矛先はNPO法人の理事長・山田豪氏(45)にも及んだという。私財をなげうってNPOを設立し、自らはネットカフェを転々としている人物だ。