宮崎靖男が暴露 鈴木則文監督と菅原文太の「大ゲンカ」
5月15日、東映の名物監督だった鈴木則文さんが亡くなった。ヤクザ、エロ、お笑いと何でもござれの娯楽映画作りの職人だったが、星桃次郎(菅原文太)と“やもめのジョナサン”こと松下金造(愛川欽也)がドタバタを繰り広げる「トラック野郎」シリーズは鈴木監督の代表作だ。その10作すべての配車とアドバイザリーを担当。自らも出演した宮崎靖男さん(70)は今どうしているのか。
「鈴木監督と会ったのは『トラック野郎』のロケが始まる直前だから、75年の7月初旬だね。横浜の東神奈川にあるワタシが行きつけのトラックショップに挨拶に来たんだ」
町田市内の喫茶店で会った宮崎さん、まずはこういった。鈴木監督はなぜ、宮崎さんを訪れたのか?
「あのシリーズは、同じ年の6月末にNHKの朝のニュースで放送された『走る街道美学』って特集がきっかけだった。それを見た(愛川)欽也さんが親しくしてた(菅原)文太さんに企画を持ちかけ、2人して東映の岡田茂社長に直談判してね。それでゴーサインが出たんだけど、その特集を作るのにワタシが協力したのを監督がどこかで知ったんだね。それで挨拶に来たわけ。でも、あんなに大ヒットするなんて、だ~れも思ってなかった。だから、文太さんがハンドルを握った大型トラックの一番星号は、青森の運送会社が持ってたオンボロを使い潰すつもりで東映が買い取ったんだよ」