ジブリ最新映画「思い出のマーニー」に批評家から厳しい声
夏といえばジブリの季節だが――。19日から公開中のジブリの最新劇場版アニメ「思い出のマーニー」(米林宏昌監督)。昨年引退を表明した宮崎駿監督(73)が関わっていない作品とあって注目されているが、22日に発表された観客動員ランキング(興行通信社調べ)は3位。
1位の「ポケモン・ザ・ムービーXY『破壊の繭とディアンシー』」、2位のディズニー映画「マレフィセント」に及ばなかった。
映画批評家の前田有一氏によれば、「『思い出のマーニー』と『アナと雪の女王』には共通のテーマがある」と指摘する。
大ヒット中の「アナ雪」に似ているとなれば、もっと上位でもよさそうだが、そう簡単ではないようで……。
「描かれているのは、いまはやりの『頑張っているのに報われない私』という女性の葛藤や成長。そこが『アナ雪』のテーマと似ている。ジブリとディズニーは同じ問題点に着眼したということですが、『アナ雪』は空前の大ヒット、一方『マーニー』は地味でパッとしません。というのも、『マーニー』のような作品は名作アニメ劇場で12回くらいかけてやるような話。『アナ雪』であれば、“ありのまま”に『レリゴー』を4分間歌いきってしまえば、成長した姿を描いてしまえるんですが、マーニーではそうはいかない。結果、不自然な成長過程を見せられて終わってしまった」(前田氏)