女優・吉沢京子が感謝する故・勝新太郎からの“大人扱い”

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 何日目だったかしら。NHKさんのテレビドラマのロケと重なり、深夜に東京から丹後町まで移動しなくちゃならなくなったことがありました。すると勝さんがご自分の愛車、確かリンカーンコンチネンタルだったと思いますが、渋谷のNHKさんに待機させて翌朝のロケに間に合わせて下さいました。

 その後、勝さんのお兄さんである若山富三郎さん(故人)とも何度か舞台やテレビドラマでご一緒させていただきました。

 一番印象的なのは、86年9月に行われた京都南座公演「炎の中で~蓮如上人ものがたり~」です。富三郎さんはその2年前に心筋梗塞で倒れ、ハワイで血管5本に及ぶバイパス手術を受けて復帰されたのですが、体調はとても悪かった。出番を終えて舞台から下がると、そのたびにハーハーと大きく息をついていましたし、時には苦しさのあまりもどしていた壮絶な姿を見ました。それでも次の出番となると、何事もなかったように平然と演技を続けていらっしゃいました。

 極端な甘党の兄、大酒飲みの弟。性格も生き方も違っていましたが、役者という仕事に対する実直で真摯な姿勢は、まったく同じ。そんな2人から学んだことが、今のお仕事に大いに役立っているのは言うまでもありません。

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