アメリカの大統領が全世界に向かって演説するよりも、『タイタニック』を持って世界中で上映した方が、大衆の心はアメリカに向かうと思う」
この映画における見どころは高倉健よりも菅原文太だ。これを見ていると、菅原文太という人の芝居が実にしっかりとしたものだと感じる。セリフは明晰だし、アクションシーンでも体が動く。何より、高倉健に対して、少しも臆していない。自分がやりたい芝居をしている。
個人的には復讐譚よりも、冒頭の7人が仲間割れをしながら刑務所を脱走するところが面白かった。脱獄と仲間割れだけに焦点を絞れば、俳優の演技がもっと楽しめた映画だと思う。