お酒はTPOが大事…洞口依子さんが語る“嗜み”へのこだわり
サングリアは、カジュアルなカフェテラスで飲んだのが格別においしかった。スペインの強烈な日差しを浴びて育ったオレンジやレモンが無造作にカットされてガラスピッチャーに浮かび、キリキリに冷やしてありますから、これまた爽やかで水分やビタミン補給にもってこいなんです。
グラスに付いた水滴が涼しげで、中世から続くイビザの街並みを眺めながらゆったりとくつろいでると、さすがに老若男女を問わず人気のあるリゾートだなって、改めて感じました。
■飲めなくなっても酒場には行きたい
フォーマルなカクテルの楽しみ方も……。女性ひとりでも安心してお酒が楽しめる老舗ホテルなどのオーセンティックなバーがオススメ。
帝国ホテルの「ランデブーバー」、ホテルオークラ東京の「オーキッドバー」、横浜だとマッカーサー元帥ゆかりのホテルニューグランド「シーガーディアンⅡ」は間違いがないですね。
私が20代の頃、「シーガーディアン」の時代に元帥に応対したベテランバーテンダーさんがいらっしゃって、元帥が好んで飲まれたというギブソンを当時のままのレシピでいただいたことがありました。バーの重厚な雰囲気と相まって、それまでに味わったことのない香りとドライな口当たりに、しばし時の経つのを忘れたものです。
私はお酒が飲めなくなっても酒場へは行くと思うんです。それは「誰と時間を共有するか」がポイントになるのでしょうけど、お酒抜きでも行きたくなる酒場、一緒にいて楽しめる人に出会うために今、お酒を楽しんでる気がしますね。