俳優・宅麻伸が感謝する “名付け親”天知茂さんが残した言葉
でも、俳優なんてどうやってなったらいいかわからない。もちろん、コネなんてない。知り合いの喫茶店の方に、池袋の「杯一(パイイチ)」ってキャバレーを紹介してもらい、とにかく上京して、住み込みのボーイとして働き始めました。19歳11カ月のことです。
■これからという時に、くも膜下出血で
上京して2カ月経った頃、昼間、いつもご飯を食べに行くお店で食ってたら、「何がしたいの?」なんて話になって。店主が「天知さんの事務所の方を知ってるよ」と言って、紹介してくれることになった。驚きましたよ! だって、まだ岡山にいた時、テレビで天知さんを見て、何となく「あ、この俳優さんに会うんだな」って、感じていたんですから! 麻布十番の事務所に行ったら、あの渋~い天知さんがラーメンを食ってた。イメージとのギャップがおかしかったなぁ。
事務所に預かっていただき、天知さんが明智小五郎を演じた土曜ワイド劇場「江戸川乱歩の美女シリーズ」(テレビ朝日系)などの現場に連れていってもらい、ほんの端役で出させていただいたりして。天知さんに「先生、お帰りなさい」って鍵を渡すだけで震えましたね。