育成に数年 東宝の“原石”福本莉子は長澤まさみに続けるか
大阪出身のグランプリ受賞は実に32年ぶり、第1回(84年)の沢口靖子(51)以来だ。「第8回東宝シンデレラオーディション」のグランプリ発表会が昨13日行われ、応募総数9508人の中から関西弁のイントネーションが愛らしい高校1年生の福本莉子さん(15)が頂点に輝いた。
「凄いびっくりして言葉に表せないくらいうれしいです。いろいろな世代の方々から愛される女優さんになりたい。憧れは長澤まさみさんです」
堂々としたたたずまいが印象的。受賞の決め手が「透明感のあるオーラ。控えめなのに何事にも動じない芯の強さを兼ね備えている」(関係者)というのもうなずける。
ファイナリスト11人はいずれも今回が人生初のオーディション。審査員のひとりとして同オーディションに関わった作家でアイドル評論家の中森明夫氏はこう言う。
「最終候補者のほとんどが10代前半から半ばであることからも分かるように、東宝シンデレラは先物買いのオーディションです。“シンデレラ”を象徴する長澤まさみがトップ女優としてのへんりんを見せたのは、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』(04年)以降であり、今年最大ヒット作が確実視されている『君の名は。』でヒロインの声優を務めた上白石萌音も含め、開花したのは2人ともオーディションから4、5年後のこと。つまり、即戦力ではなく数年の時間をかけ、親会社である『東宝』の作品で主役が張れる映画女優に育てていくわけです。オーディション初という経歴も“シンデレラ”だったら芸能界入りも安心という親御さんが多いからでしょう。大事に育てられた箱入り娘たちはダイヤモンドの原石。今後に注目です」
偉大な先輩たちを超えることができるか。