映画に続き舞台で主演 “東宝シンデレラ”上白石萌音に聞く
出演者の中で最も華奢な体だが、圧倒的な存在感で見せる、引き込む。東宝シンデレラの上白石萌音(16)。昨10日、初主演舞台「みえない雲」の初日を迎えた。
ドイツの架空の原子力発電所で発生した放射能漏れ事故に巻き込まれた人々を描いた物語。決して他人事ではない、日本でも非常に関心の強い内容に挑む。
「原発事故とはどういうものか、放射能が漏れることでどんな事態が起こり得るのか。東日本大震災が起こった当時は地元の鹿児島にいたのですが、日本で大変なことが起こっているのに、どこか他人事のように捉えていた自分がいたかもしれません。でも、今回の舞台をやらせていただくにあたって、原作本を読んだり、チェルノブイリの事故について調べたり、世界史の教科書を読み返すことでいろいろなことに気づきました。そこからわかったことは、残酷な状況下でもすごく素直でまっすぐに向き合っているのは、むしろ子供たちで、嘘とかで覆いかぶせるのではなく、真実を知り、それをきちんと受け止めようとする姿勢があるんじゃないかなって。今回の舞台で私が演じる14歳のヤンナ・ベルタは、家族や故郷を愛する気持ちが原動力。それらを少しでも多く表現できたらと思います」