松山ケンイチ語る 「聖の青春」に向き合って気付いたこと
デビューして今年で15年、俳優の松山ケンイチ(31)がまた覚醒した。今週19日に公開となる映画「聖の青春」(森義隆監督、KADOKAWA配給)で主役を演じ、「2016年はこの役を演じるための一年だった」と力を込める。
モデル発掘のオーディションでグランプリを受賞し01年に芸能界入り。高2の夏に青森から上京してまもない頃の自分は、今になって思えば「人とコミュニケーションをとれない不器用な人間だった」と振り返る。
「あまりにしゃべれないもんだから、同じ媒体の取材をもう一度受け直すなんてこともありました。なんだそれって心の中では思っても、実際、しゃべれないのだから自業自得ですね。この仕事は、欠陥だらけの僕をまともな人間にしてくれました」
育ててもらったぶん、恩返しがしたい。日頃から漫画や小説を読み、「作品を見てくれる人びとに感動や気づきを感じてもらえる題材を探している」と言う。「聖の青春」の原作もその一冊で、映画化の情報を聞き、自ら手をあげた。
演じたのは、羽生善治のライバルと目されながら29歳で夭逝した棋士・村山聖。幼い頃からネフローゼという重い腎臓病を患いながら17歳でプロ入りし、命を削りながら対局に挑む壮絶な人生を歩んだ男。映画化にあたっては、体重を大幅にアップし激似の容姿になったことも話題になった。1年半以上、この役柄と向き合って気付いたことがある。