漫才師・今くるよが感激した故・天知茂氏からのオファー
多分、裏方さんの小言を天知さんが耳にされて、怒鳴るんやなく、現場を見せて悟らせたんやと思うんです。それからは私らもその列に加わらせてもらいましたけど、そうやって袖に立つと、舞台が役者と裏方さんのチームプレーや、見えんところでも努力を惜しんだらアカンということを教えられましたね。
■いいとも!の「テレフォンショッキング」にも出てくれた
それから3年。漫才ブームが来て、おかげさまで昼も夜もわからんぐらいに大忙しになってね。私らは京都出身なんで、81年やったかなあ、旧京都花月で初リサイタルをしたんです。漫才、トークショー、吉本新喜劇の3部構成。そしたら新喜劇の前に、客席中央奥の扉がいきなりパーンと開きましてね。ピンスポットが当たって私ら目ん玉ひっくりかえるぐらいビックリ。天知さんが来てくれはったんです。
そんなん聞いてませんもん。これまた夢やないか、思いました。そして付き人のイケメン3人と颯爽とステージに上がるや、「これからも今いくよ・くるよをよろしくお願いします」と挨拶して、サッと帰らはった。まさに「疾風のように現れて疾風のように去っていく」。カッコええんですよ。しかも東京からわざわざ来てくれはって、ギャラも交通費も請求なし……。