漫才師・今くるよが感激した故・天知茂氏からのオファー

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 それだけやないんです。私らに楽屋を用意してお風呂場はあそこ、出前を頼むならここと、お忙しい座長やのに、ご本人が説明してくれはった。クールでハードボイルドな「非情の――」会田刑事に、優しくしていただいて、もう感激も感激、大感激ですわ。

 ただね、私らは吉本興業所属で、新歌舞伎座は松竹さん。しかも、すぐそばのなんば花月に時々出演してましたから、ホンマはルール違反なんですよ。それも知らんで勝手に決めて会社に事後報告したら、担当の社員さんが見に来て「ホンマに出よった」……と。まあ、呆れること呆れること。

 そして何日か過ぎてですわ。出番はワンシーンだけやから、終わったら私らはお風呂に入って楽屋でゴロゴロしてたんですね。そこへ天知さんが来られて「休憩もいいけど、舞台を見に来なさい」と舞台袖に連れてってくれたんです。

 ビックリしました。「非情の――」で天知さんは2役やったから“早変わり”があるんですね。そのシーンのためにスタッフも共演の役者さんたちも、手に手に衣装や小物を持って袖に並び、待ち構えていたんです。天知さんはそこを駆け抜けて、次のシーンへ。それを知らんと、無名のくせに私らは勝手に休んどった。思わず顔が青くなりました。

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