<1>打ち止めが見えていたSMAPと解散発表で火がついたファンの反応
くしくも、SMAPがCDデビューした1991年当時も日本の芸能は転換期にあった。「ザ・ベストテン」「歌のトップテン」「夜のヒットスタジオ」といった歌番組が1989年から90年にかけて相次いで幕を閉じ、歌謡曲やアイドルの「冬の時代」のはじまり、誰もが口ずさむ流行歌が街角から消えていく節目となった時期である。
SMAPはそこで「スマスマ」というバラエティーに活路を見いだし、大成功したアイドルグループの先駆けであったが、時代は巡り、そのテレビとバラエティーが失速し、それと足並みをそろえるように勢いをなくしていたのだ。解散騒動が40歳以上の中高年の関心事であり、若い世代の反応ではないという世代間ギャップも大きいだろう。
■アルバム100万枚突破の前代未聞
ところが、だ。そんなSMAPが解散となった途端、ファンの反対運動に火がついた。新聞での投書、購買運動などがあり、解散後の今月もベストアルバム「SMAP 25 YEARS」が100万枚突破という前代未聞の事態が続いている。
「これで終わっていいのか、もっと続けるべきじゃないのかといったモヤモヤ感がファンにあるのです。グループ結成から28年、ファンにとってSMAPは共に生きる人生の同伴者ですから」と太田氏は言う。
終わったグループでいながらファンが解散をツイートなどの運動で反対し、社会問題とし、今なお活動している。このSMAPファンとは何者なのか。太田氏の分析を聞こう。
(つづく)