もう重版 芥川賞作家・又吉直樹「第2作」の気になる評判
2作目の大きな焦点だったのは、“芸人”以外も描けるのかどうかだった。
「成功を夢見る劇作家の自身の未熟さや無能さに加え、他人の才能も認められないというダメな男のダメな部分を実にわかりやすく描いている。演劇の世界を目指す若者は書き尽くされたテーマですが、それでもここまで読ませるのは確実な筆力があるから。ダメンズな主人公とまっとうな人間による会話のやりとりで、そのダメンズぶりを巧みに表現しています。人間をうまく表現できるのはあらゆる作品が書ける証し。2作目のジンクスも打ち破り、今後も書き続けられることを印象づけました」(前出の倉本氏)
「火花」同様、ヒロインは天然で無邪気で無条件に優しい女性。又吉センセイの理想のタイプも垣間見ることのできる一作でもある。