水道橋博士<後編>硬派からバカまで…“師匠”譲りの振り幅
水道橋博士には恩がある。
「日本のテレビの歴史って面白くて秘かに先輩にインタビューしたりして調べてるんだけど、どこかで発表できませんかね?」
「それ僕のやっている『メルマ旬報』でやりましょう」
こうして私のメルマガ連載「吉川圭三の『メディア都市伝説』」が始まり、博士がツイッターで呟いてくれたおかげで、新書を発刊するまでになった。それが「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館刊)である。所ジョージさんには「読んだよ~面白かった」との言葉を頂き、この本のフィクサーである博士は、「ほら、こういうことがあるんだよね~。でもああいうことは記録しておかないとね。良かった。良かった」と喜んでくれた。
博士と最初にプライベートで食事をした時の印象は「この人怒らせたらきっと怖い。しかも、公平に見て自己に正当性がある時しか怒らないだろうな」だった。記憶力も抜群、喧嘩の作法も知っている……そこは師匠譲りなのだろうか。大阪の生放送番組中にスタジオから出てしまったり、ノンフィクションライターの佐野眞一氏を闇に葬り去った橋下徹と一歩も引かずに武闘を演じたり、「笑っていいとも!」にゲスト出演したリリー・フランキーに高級ダッチワイフを持たせてスタジオを凍りつかせたり、硬派からバカまで振り幅がものすごい。