元プロボクサー薬師寺保栄さん 筋トレ重ねマッチョマンに
しかし、打っては退くファイトスタイルから「チキンハート」と揶揄され、薬師寺さん自身も「なんてことない選手だった」と振り返る。
転機のひとつとなったのは、2勝1敗で迎えた4戦目。当時、新人王を獲得して格上の岡部繁選手(元日本バンタム級王者)との対戦だった。判定の末に惜敗したが、「アイツが日本ランク9位で7戦7勝5KOなら、オレも頑張ったら日本チャンプになれるかも」と練習に一層身が入った。
以降、現役最後の世界王者防衛戦で敗れるまで“無敗街道”を歩んだ。
95年に引退後はタレントとして精力的に活動。プライベートでは2012年に前妻と離婚し、14年には約1億3000万円の投資詐欺被害に遭ったことでも話題になったが、15年に18歳下の一般女性と再婚。「新しい子供を授かり、10月に生まれる予定」と笑みをこぼす。
■辰吉戦のお値段は・・・
薬師寺さんといえば、今も語り継がれるのが辰吉さんとのWBC世界バンタム級王座統一戦だ。国内最速(当時)のプロ8戦目で世界王者となり、カリスマ的人気を集めた辰吉さんはこの時期、網膜剥離で引退危機にひんしていたが、手術に成功して戦線復帰。薬師寺さんは辰吉さんがいない間に君臨した王者として、辰吉さんは暫定王者として対峙した。