大物2世タレントの彼は20歳上の私に「部屋に行きたい」と
漫才の巨匠を父に持つ彼は、2世ブームに乗ってドラマの撮影で東京に来るようになったのがきっかけでした。テレビ関係の方に連れてこられたのでした。そんな男の子が20歳も離れた私に、東京のマンションが近いこともあって「私の部屋に行きたい」とアピールしてきました。とはいえ、さすがに30代半ばの銀座の女としては躊躇します。
お店の後に一緒に食事に行ったのが3回くらい続いたでしょうか。どうしても帰ろうとせず、私の部屋に来たのです。「こんなところに来て大丈夫なの?」と聞くと、「僕は12歳の時に芸人の先輩たちに連れられて童貞を卒業しているから」と一生懸命アピールしてくるので、ついに根負けして体を許してしまいました。16歳の男の子は瞳はキラキラと澄んでいて、肌のきめ細かさといったら赤ちゃん同然。髪のウエーブや寝顔は天使のよう。タレントでもあるお母さんの血筋を思わせる愛らしさがありました。
ある時、ドアの前に小さなお花が。彼が滞在しているお父さんのマンションに電話をすると「いなかったから置いてきたよ」と言うのです。携帯電話もない時代、そんなすれ違いが余計にいとおしさに変わりました。