イケメン俳優との一夜…銀座で一旗揚げたいと思う原点に
ホステスになったのは18歳のときでした。見習美容師として地元・札幌の美容院で働き始めると、毎日セットに来るのは、すすきので働くホステスさんたちでした。
「今、女の子が足りないのよ! 仕事終わってからでいいからアルバイトに来ない?」
きらびやかで、私みたいな新人にもお小遣いをくれる憧れのお姉さんたちに言われたら心が揺らぐのは至極当然でした。しかも、美容師の卵なんてたいしたお給料はいただけませんから、アルバイトは魅力的でした。そして、いざデビューしてみたら、時給はいいし、チップはもらえる、いつしかアルバイトは本業になり、店でナンバーワンのホステスになっていました。
当時大ファンだったのは今村昌平監督作品でも常連の俳優さん。彼の名前を使ったギャグでも有名になったあの方です。ルックスはもちろん、声もすてきで、どんな人がタイプ? と聞かれたらいつも彼と答えていました。たまたま懸賞で「銀座のマキシム・ド・パリで一緒に食事ができる」というのがあり、いちるの望みをかけて応募したらなんと当選。旅費は自腹でも、彼に会えるなら行くしかない。どうせ泊まるなら銀座、とホテル西洋銀座を予約し、初めて上京したのです。