ダンシング・ヒーロー(後)タイトル案に思わず目が点…!
普通はワンコーラス歌わせて、良いところをつないでいくんですが、そうすると歌い出しとサビの声にあまり変化が出ません。なので、まずは1番のAメロだけ、次に2番のAメロだけとブツ切れに歌わせました。喉がなれて声が出てきたところで1番のサビ、2番のサビ。そして最後に大サビという具合に収録していくと、つないだ時に1コーラスの中に声の変化が生まれるんです。そんなふうにブツ切れで収録すること4時間。OKが出ても荻野目はピンとこない様子。そこでつないだ曲を聴かせると「なるほど」と納得してくれました。
あとはタイトル。当初は歌詞にも出てくる「素敵なシンデレラボーイ」の予定でしたが、平社長が「荻野目にはオシャレすぎる」と言って首をタテに振りません。で、後日、平社長が考えてきたのが「ダンシング・ヒーロー」です。あまりにも直球だったので、思わず目が点になりましたが……今思えばわかりやすい良いタイトル。そしてわかりやすいメロディーこそ、今も変わらぬヒットの法則なんだと、昨年のバブリーダンスでのリバイバル、今年の「U.S.A.」の人気を見て思いましたね。 (聞き手・いからしひろき)