元グラドル山本早織さん ドロ沼法廷闘争を経て掴んだ幸せ

公開日: 更新日:

 2000年代、その愛くるしいベビーフェースからは想像もつかないダイナマイトボディーを武器に、雑誌やDVDで男性ファンを虜にした元グラビアアイドルの山本早織さん(33)。16歳でデビューするや瞬く間にグラビア界を席巻したが、26歳で引退。所属事務所社長との裁判も話題になった。今、どうしているのか。

  ◇  ◇  ◇

「こんにちは、今日はよろしくお願いします」

 会ったのは東京メトロ・茅場町駅にほど近い、弊社の入るオフィスビル前。山本さん、なんとロードバイクでさっそうと現れた。聞くと田町から30分かけて来たという。

「ニューヨークスタイルです」

 笑うと現役時代そのままのあどけなさだが、会議室で差し出された名刺には“代表取締役社長”の肩書。山本さん、実業家に転身していた。

「16年12月に起業しました。結婚相談所の運営のほか、恋のコンサルタントとしてブログやメルマガ、メディアでの連載などを通じて、独身男女を結婚に導くアドバイスやサポートをさせていただいています」

 仕事の話になると、すっかり経営者の顔だ。それにしても、なぜ結婚や恋愛に関わる仕事を?

「タレントを辞めて次に何をしようかと考えた時、何も残っていないことに気づいたんです。人脈も築けてなかった。それで、銀座でホステスのアルバイトもしました。その後、自宅でフラワーアレンジメントの教室を開いたんです。もちろん、生徒は女性ばかり。お花をしながら恋の相談をされ、アドバイスをしているうちに、相手を紹介するようにもなって。生徒たちから『先生は才能がある!』と。背中を押された感じですね(笑い)」

 しかし、当初は順風満帆とはいかなかった。

「最初は月1回、お見合いパーティーを開いていました。でも、来月は人が集まるかなと、そればかり気にするようになって。何をやってるんだろうって。今はパーティーは開いてません。人それぞれスペックも得意分野も違うし、一対一の方が思いも伝わりますから。会員に寄り添ったサポートを心がけています」

■「分厚い小説のようなものに手が震えた…」

 さて、1985年、葛飾区に生まれた山本さんは「子供のころから活発で、小学4年から高校3年までバスケ部」所属。しかし、目立つ容姿がアダとなり、中学では女子のイジメの対象になった。昼食は男子の輪に入り、どうやったら受け入れられ、好かれるかを研究した。恋愛観のルーツだ。

 高校1年の時、通学の乗換駅だった有楽町でスカウトされ、01年に16歳で芸能界デビュー。

「歌手になりたかったんですけど、まずグラビアを勧められて。最初は水着でおなかを出すのも恥ずかしかったんですよ。まだ時代が良くて、20歳まではたくさんお仕事をさせてもらいましたが、給料はずっと月10万円でした。最初の事務所が6年ほどでつぶれ、08年に移った次の事務所も月12万円でした(笑い)」

 そんな山本さんに災難が降りかかる。事務所社長とのドロ沼法廷闘争だ。

 11年、山本さんが当時交際していた男性(後に結婚・離婚)の存在を知った社長は“感情”をあらわにし、山本さんに別れを迫った。追い詰められた山本さんは心のバランスを崩し、契約解消を申し出て休養に入った。

 すると翌年、山本さんの弁護士のもとに裁判所から封書が届く。社長側が、契約違反として2000万円の損害賠償請求訴訟を起こしたのだ。陳述書には山本さんへの非難が書き連ねられていた。

「その分厚い小説のようなものを見た時、手が震えて過呼吸になりました。少しずつ体調が回復してきたところに、そんな分厚いものが届いて……」

 山本さんも弁護士と相談し、名誉毀損などで反訴。1審で勝利すると社長側が控訴し、2審にもつれ込んだ。再び山本さんが勝訴したが、社長側は上告。最高裁がこれを棄却し、ようやく裁判は終結した。

「終わっても解放感はなかったですね。この間、いろいろな要因が重なって離婚も経験しました」

 だが、悪いことばかりではない。山本さん、その後に交際を始めた実業家の男性と昨年5月に結婚。現在は公私共に充実した、幸せな日々を過ごしている。

「結婚相談所に加えて、今後は親の愛情を受けられなかった子供たちの受け皿にもなりたくて、施設訪問など社会貢献活動も考えています」

 前向きで強い女性だ。

(取材・文=大原将文/日刊ゲンダイ)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  3. 3

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  4. 4

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

  5. 5

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    フジテレビは中居正広で“緊急事態”に…清野菜名“月9”初主演作はNHKのノンフィクション番組が「渡りに船」になりそう

  3. 8

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 9

    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース