空いた時間は映画館へぶらり アル・パチーノが好きでした
五十の手習いならぬ、定年後の手習いで、料理教室に通う男性が増えている。
松平は若い頃から自炊ができた。16歳で役者を目指して上京。八百屋の住み込みを経て、寿司屋でも住み込みで働いた。仕事は、お茶くみや出前といった雑用ばかりだったが、目の前で大将の寿司の握り方や包丁の使い方を見て学んだという。
「今でも、たまに作ったりします。でも、凝った料理というのではなく、手軽にできる家庭料理です。今はナントカのモトといった便利なものがありますから、それをうまく使って調理しています」
日常の食卓を飾るものだから、あまり華美にならず、食材もなるべく安いものを買い求める。
外食に偏りがちな私生活だが、なるべく家庭料理を大事にしているようだ。
「10年くらい前までは築地にも買い物に行っていました。朝は混雑していますから、昼ぐらいに。買い物は普通に行きますよ。皆さんも品定めに夢中になっていますから、気付かれることはあまりありません。それにしても最近の築地の変わりようはすごい。昔は近所のサラリーマンが昼食がてら場内や場外の店に集まるくらいでしたが、今はすっかり観光地化していますから」