女優・銀粉蝶さん「テレビに出たのは娘が生まれたため」
その後の糧となった新劇人との交流
テレビや映画の仕事が増えるにつれ、舞台の方でも若い頃は考えられなかった先輩たちとの出会いがありました。アンダーグラウンド界隈にいた私には無縁だった新劇の方々――演出家の木村光一さんや栗山民也さん、俳優では渡辺美佐子さんや三田和代さんたちとの舞台は刺激的で、その後の大きな財産となりました。今思えば娘の誕生が人生の転機となったんですね。
もう無理のきかない年なんだから舞台はほどほどに、と心配してくれる人は、唐組や野田秀樹さんの舞台に喜々として出ている私に呆れてるみたい。10代で体に刷り込まれた舞台への思いはいつまでも消えないんですね。
今回の舞台「美しく青く」も向井理さんや田中麗奈さんといった若々しい感覚の俳優と組めるのでとっても楽しみです。
(取材・文=演劇ジャーナリスト・山田勝仁)
◇「美しく青く」(作・演出=赤堀雅秋)は7月11~28日、渋谷・Bunkamuraシアターコクーン。8月1~3日、大阪・森ノ宮ピロティホール。向井、田中のほかに秋山菜津子、平田満ら出演。