オードリー春日の浮気発覚 人間の性根は簡単に変わらない
「塀の中の懲りない面々」は、バブル期の1986年に出版され、ベストセラーとなった小説だ。
作者の安部譲二とは、たまたま行きつけの理髪店が同じだった縁で、一度だけだが親しく話をさせてもらったことがある。
その時、安部はすでに体調を崩していたが、渡世稼業から国際線のパーサーまで、縦横無尽に人生を駆け巡った経験から出てくる言葉は重く、また楽しく、文字どおり、あっという間に時間が過ぎていったことを覚えている。驚かされたのは、安部が筆者のことを何者か知っていて、ネットがもたらす未来像について興味津々に幾度も尋ねてきたことだ。すでに齢70代に入っていたはずだが、尽きぬ世の中への興味関心を見せつけられ、物書きはこうでなくてはいけないと思わされた。
ひとしきり話も盛り上がり、つまらない質問だと思われたらどうしようかと、聞こうか迷っていたことを、つい勢いで口にしてみた。
「それにしても、塀の中の面々は、どうして懲りないのでしょうか? 痛い目、しんどい目に遭えば、懲りることもありそうですが」