ユン・ジョンビン監督「絶対に正しいと信じてはいけない」
コードネームは黒金星(ブラック・ヴィーナス)。北朝鮮の核開発を探るべく、北に潜入した元工作員の実話をもとにした韓国映画「工作―黒金星と呼ばれた男」がヒット中だ。ユン・ジョンビン監督(39)に見どころを聞いた。
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――平壌で金正日と接見する場面といい、とてもリアルで、どこまで事実なのか話題です。
「すべてと思っていただいて結構です。北に関する資料などは韓国国内外にたくさんあるし、脱北者もたくさんいるので、考証自体はそう難しいことではないのです。あの接見の場面で、金正日は小型犬を抱いて登場しますが、実際に複数の別荘で、多様な犬を飼っていたそうです」
――元工作員の証言のなかで驚いたエピソードがあるとか。
「ええ。黒金星に対して、北の幹部から『あなたの商売をやらせてあげるから、平壌に子どもを一人つくりなさい』との提案があったというのです。それで女性と一つの部屋に押し込まれたと。女性も黒金星もそれを望んでいなかったので、盗聴対策のために行為をするフリだけした。恐らく、北は子どもを人質にと考えたのでしょう。本国の安企部に報告したところ、『早くつくってこい』と命令されたそうです」
――大統領選の際に、韓国の与党幹部がミサイル発射を北に打診し、金正日が「面倒ばかりかけおって」と言う場面も驚きです。
「報道とは別の真実、裏があるのです。今現在も何かしらの裏取引がある可能性は少なくないでしょうね」