「なつぞら」は終盤のストーリー展開息切れが残念だった
NHK連続テレビ小説「なつぞら」(総合午前8時)は、9月28日が最終話だが、「長かったぁ」という声が多い。半年間、全156話はこれまでと同じだが、8月半ばあたりから飽きちゃったというのである。
「なつぞら」はだいたい3つのパートに分かれていた。戦災孤児のヒロインが北海道十勝の牧場で育てられる少女・青春編、アニメーターを目指す奮闘編、結婚して子供ができても仕事を頑張る母親編だ。
前半は北海道の美しい自然や開拓の苦労、戦後の新宿の猥雑さがテンポよく描かれていたのだが、アニメ制作がストーリーの中心になってからは、同じような話の繰り返しが目立つようになった。
作品をめぐってスタッフたちが対立し、そのたびにスッタモンダして、でも最後は力を合わせて完成にこぎつけ、ご苦労さまでしたという展開だ。対立の原因は物語の流れだったり、キャラクターデザインだったりと、いつも違うのだが、見ている方は、同じ顔ぶれが同じようなことを言い争っているような印象しかない。飽きて当然である。
終盤に間延びするのは、「なつぞら」だけではない。即席めんの開発者を主人公にした前作の「まんぷく」もそうだった。最後の十数話は、カップめんの具材に何を入れるか、それをどう作るかの試行錯誤が、乾燥エビ、チャーシュー、ネギなどごとに繰り返された。