もはや“クローン”…民放キー局平日ワイドショーの放送時間
新ワイドショー「グッとラック!」(TBS系)のMCに抜擢された立川志らく、他の新顔コメンテーターなど秋の番組改編の話題はワイドショーばかり。新ドラマが始まる前だし、テレビがワイドショーばかりなのだから仕方ないが、その多さは異様な気がする。
平日のキー局4局の放送時間をザッと合わせると、日本テレビは「スッキリ」に始まり「情報ライブ ミヤネ屋」へ。テレビ朝日は「羽鳥慎一モーニングショー」から30分ほど空けて「大下容子ワイド!スクランブル」の2部構成。TBSも「グッとラック!」から程なく「ひるおび!」。フジテレビは「とくダネ!」「ノンストップ!」「直撃LIVE グッディ!」と続く。
各局5時間前後、合計約20時間半! フジなんて昼の「バイキング」もワイドショーみたいなものだから一日中、似たような中身の番組だ。
加えて大手民放は8時前の早朝も情報・ワイド、夕方の2時間枠もグルメ・情報のワイド的な番組で、平日は夜明けから日暮れまで事件や芸能をあーだこーだとやっている。
しかも、扱うネタも同じ場合が多い。同じ局で複数回取り上げ、幼児虐待の死亡事件とか悲惨な話題を何度も見せられるわけだ。最近でいえば香港のデモの模様は現地の映像を使うから、各局同じ映像が流れる。もはや平日のテレビはNHKとテレビ東京以外はクローンのようなものか。あるスタッフに聞くと「ワイドショーのテレビマンは同じ発想で作り方が偏る」とのこと。
羽鳥慎一や加藤浩次のように達者なMCがいるうちに差別化を模索した方がいい。つけっぱなしにしているだけでテレビを真剣に見る人がいなくなりそうだ。
(作家・松野大介)