騒動で注目 吉本芸人MCのワイドショーは視聴率“独り勝ち”
吉本興業の騒動を、テレビは扱い過ぎではないか。NHKや民放各社は20日のタレントの会見も22日の社長の涙(?)の会見も中継。21日の参院選は当日以外は放ったらかし状態になった。
驚きは吉本芸人がMCのワイドショーの数字だ。加藤浩次が吉本を辞める態度をにおわせた「スッキリ」(日本テレビ系)。22日は10・4%と2桁にのせ、23日は12・0%! ゴールデンタイムでもこの数字を取るのは至難の業なのに8~9時半でこの数字。ちなみに、24日も2桁と順調そのもの。「ワイドナショー」(フジテレビ系)は21日に急きょ生放送。松本人志が何をコメントするかに注目が集まり、16・7%。
今回の騒動は吉本にはかなりのマイナスイメージだが、数字の面や話題性から見ると、吉本の独り勝ちではないか。吉本芸人に限らずタレントがあーだこーだとタダでコメントしてくれるし、ワイドショーのみならず情報、報道番組からすれば「安価で数字が取れるネタを提供してくれてありがとう」だろう。
しかし、事件や政治と違い、公共性はない。ジャニーズが元SMAPを使わないようにテレビに忖度させたとか、このところ事務所絡みの騒動が多い。「干された」とか「社長についていく」とか芸と関係ない裏話が中心だ。日本のテレビは芸能よりも「芸能界」の人間関係や勢力図を見せて商売しているみたい。